今回の依頼は、某洋菓子店のケーキをお客様のテーブルへ提供するアフタヌーンティースタンドと呼ばれるもので、20個の注文をいただきました。
(有)アートフィールド様からのご依頼でした。
(有)アートフィールド様はディスプレイ関係などで幅広く仕事をされている会社です。お付き合いをさせていただいて1年半位になりますが、照明のフレームの仕事とはまた違った形のものを注文いただいて、毎回よりきれいな品物を作るために、照明金枠の経験を活かしながら、新たな考えをプラスして、試行錯誤しながら楽しみながら製造しております。
(有)アートフィールドさんの幅広い知識と様々な加工業者さんとの付き合いの多さには感服いたします。
総合的に様々なディスプレイ商品を企画製造したいと考えている皆さんには、ぜひ(有)アートフィールドさんへお問い合わせいただければと思います。
今回、アフタヌーンティースタンドであるため3箇所の丸い板の部分に、お皿を乗せて、その上にケーキ等の品物を乗せます。
品物を出し入れするため、前半分は縦の骨がありません。その中で、しっかり中心を出して、きれいな形にするため、専用の高さと位置と中心を決める治具を製造いたしました。20個あるため治具を作りましたが、これ未満であれば治具を作らずに製造していたと思います。
また本金色メッキ(本物の金を使った仕上げ)でした (通常の金色メッキは真鍮メッキであることが多いです)。
どちらにせよ、板の部分は、先に表面になるように下磨きをします(溶接後は磨けなくなるため)。
鏡面磨きをした後は、取り扱いにも注意しなければなりません(ほんの少しのことで表面に傷がつくため) 。
また溶接など、ミスしてしまうと仕上がりが汚くなってしまいます。
溶接は基本的に、お客様から見えない場所を、より小さく、より強く溶接いたします。それがきれいな品物につながります。
板を縦の骨に、溶接をする時が一番神経を使うところです。
1カ所でもミスをして、見えるところの板を溶かしてしまえばアウトです。
縦の骨は3φの丸棒を使っていますので、溶接で熱を長くかけすぎてしまうと、変形もしくは、線の長さが微妙に変わってしまって、美しくなりません。
ですので、強い電流で、より一瞬で溶接をしていきます。
中間の丸い板の位置決めは、縦の骨を溶接する前に軽く、全て同じ位置になるように、ほんの少しの傷をつけておきます。
しっかりと板の作面に傷を付けないと、傷が見えてしまうので品物にはなりません。
品物によって気をつける場所が色々と違いますが、よりきれいな製品を使っていただく方に満足していただける製品を目指して、日々製造しております。
*実際の品物には、上部に指で引っ掛ける取手と、下に置くときの丸球がつきます。